フィンランドの難民センターでの海外インターンシップを通して感じた1番大きな学び【海外インターン体験記】【連載3】明治大学 石井麻鈴

フィンランドからこんにちは。

フィンランドのタンペレ市にある難民センターで英語を教える海外インターンシップに参加している明治大学2年の石井麻鈴です。

今回は、私がこのインターンを通じて一番強く感じたことをお伝えします。

タンペレの高校生に日本についてのプレゼンをする私

いざ現地に来てリアルな実態に触れると、難民の生活する状況は何不自由ない一方で、1人1人の難民の方々は将来に対する大きな不安を抱えていました。

信仰する宗教や職業がきっかけで迫害されてしまったり、徴兵を恐れて、生まれ育った母国を愛する家族を残したまま離れなければならなかった人たちが難民です。

この先どう暮らしていくのか。

仕事もない、パスポートもない。

難民センターで一生暮らすことは誰も望んでいません。

そんな彼らに日本から来た女子大生ができることとは何なのか。

英語の授業で日本文化について紹介したりしましたが、何か表面的な気がしていました。

彼らの何の役に立つのだろう。

仕事に就けるようにサポートするほうがよっぽどいいのではないか。

しかし、そうしたサポートは、フィンランドの法整備や社会システムへの理解が乏しい私にはできないことでした。

私のできることなんて、何もないのではないか。

毎日難民センターに通い、帰宅後は授業を作る日々。

心の中では、自分の無力さに直面し、途方に暮れていました。

英語のクラスの様子

私は海外インターンシップ中に大きな壁にぶつかりました。

人と英語でコミュニケーションができなかったのです。

これは英語を聞き取るのが精一杯だったのと、自分の拙い英語を聞かれるのが嫌でしゃべらなくなることが原因でした。

日本だったらもっとオープンで、好奇心旺盛で笑顔な私。

まったくの別人でした。

すごくシャイで自分の思っていることを言葉にできないもどかしい毎日。

同僚に会うのも嫌で仕方ありませんでした。

何考えているのかわからないやつ…と思われているに違いないと思い込んでいました。

失敗を恐れる自分の性質がもろにでてしまいました。

当初この悩みを相談できる友人もフィンランドにおらず、毎日孤独でした。

アイセック・タンペレ委員会のみんな

3月24日、他の国から来ていたインターン生たちは、最後の出勤日を迎えました。

彼らは2月からインターンをしていたのに対し、私は3月からのスタートで期間がずれていたのです。

その日にアイセック・タンペレ委員会のメンバーも参加してインターンの振り返りを行いました。

そこで、私は初めて自分が今まで抱えていた悩みを告白しました。

それを聞いてくれた同僚たちが一言。

 

「Everyone knows you are shy. Nobody judges you. Do whatever you want.」

 

この言葉を聞いて途端、胸のつかえが取れた気がしました。

みんな私がシャイで口数が少ないことを知っていて、誰もあなたのことを悪く評価していないよと言ってくれたのです。

このとき、他人からの評価を気にしていたのは自分で、悪い評価だと決めつけていたのも自分だと気が付きました。

その日を境に私は変わりました。

毎日書いていたブログを英語で書くようにし、より多くの人に私の想いを伝えようとしました。

英語教室以外にも、早朝のkids clubにも通い、難民の子供たちのお世話もしました。

たくさんの人と交流するようになったのです。

そして、アイセック・タンペレ委員会のメンバーに自分の夢を語りました。

そんなオープンにはなれなかったですが、自分が伝えたい想いを言葉に、手紙にして伝えていきました。

タンペレ市民と難民との交流イベントにて

そうして迎えたインターンの終了日。

英語クラスの生徒たちが集まってきて、みんなありがとうと言ってくれました。

最後の英語の授業で箸の使い方を教えたり、イースターの時期だったので、卵型のチョコレートをプレゼントしたりして、団らんしました。

Kids clubの先生からは「献身的に勤めてくれてありがとう」とムーミンのカップをもらいました。

さようならの挨拶のとき、たくさんの子供たちにㇵグされました。

イラク難民の友達にイラク料理をごちそうしてもらいました。

タンペレを去るとき、朝4時のバスに乗って空港に向かったのですが、その時間にさよならを言いたいと寒い中バス停まで挨拶しにきてくれたアフガニスタン難民の人もいました。

海外インターン終了日、今まで会った人に囲まれて、温かく送り出してもらったこと、本当にうれしかったです。

人生で一番幸せな日になりました。

タンペレを去るバスの中、帰りたくないと一人で泣いていました。

難民問題を解決したい一心でフィンランドに来た私。

自分の弱さや無力さに苦しみ途方に暮れた日々。

でも、最後には私と出会った人はみんな笑っていて、「また来いよ!」と言ってくれました。

彼ら1人1人の心の中に、私は「記憶」という小さくて大きなインパクトを残せたのかなと思います。

フィンランド最後の休日。湖の畔にて。

アイセックの海外インターンシップは「社会課題の解決」を目標にしています。

「社会課題の解決」なんて大きすぎて、不可能に見えます。

しかし、1つの社会課題に立ち向かうプロセスを通じて、インターン生の心に確実に変化を与えてくれます。

私はそう断言できます。

 

このように、たくさんの人の心の変化を与えていくことで、社会は変わっていくんだと思います。

なぜなら、社会は人で構成されているから。

人が変われば社会は変わります。

社会課題も解決されます。

これが私がフィンランドでの海外インターンシップを通して感じた1番大きな学びです。

 

私はこれからも難民問題解決のために、進んでいきます。

 

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