【YouthSpeak Forum 2016】
『SDGsとは何か?』ーー国連広報センター所長 根本かおる

2016年10月16日、アイセック・ジャパンは国際連合の掲げる持続可能な開発目標SDGsをテーマとした社会人・学生の登壇イベント「YouthSpeak Forum 2016」を開催しました。本記事では、第2部で行われた国連広報センター所長 根本かおる様 による『What is SDGs?』というご講演を取り上げます。

国連広報センター所長 根本かおる様

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私も、大学時代アイセックに入っていたので、今回お声がけをいただき大変嬉しく思っています。まず、みなさんに、「Define your why」という話をします。

この「why」とは、心の中に抱く違和感、おかしいのではという思い、もやつくというところを問いかける姿勢のことです。人生の先輩として言うと、若い頃に感じる違和感やもやもやは、大人になっても、社会人になってから、齢を重ねてもずっと同じで、ずっと残ります。どうか、今の違和感やもやもや感を大切にして欲しいと思います。

私の話をします。

私は、今年で大学卒業後30年となり、昨日同窓会がありました。1,2年のクラスメイトとのクラス会は、32名で、女子2名でした。たった6%です。また、法学部女子生徒は2~3%でした。

今まで、私は、どうして女性がマイノリティとして肩身の狭い思いをするのかというのが、いつも問題意識、もやもや感としてありました。就職する際、国際機関に関心もなかったため、TV朝日に、当時は女子アナウンサーとして入りました。しかし、自分には向いてないと思い、報道記者となり、日本の政治経済を取材しました。

いつもマイノリティとしての女性問題には関心がありましたし、女性という事に限らずマイノリティというところに非常に問題意識がありました。

のちに、国連で難民支援、国連難民弁務官事務所の職員として仕事をしました。政治的考えや宗教民族で、マイノリティの立場で難民になり故郷にいられなくなり国境を超えて逃げていく。

そういった部分で、自分の問題意識もやもや感がつながっていって、自分の生業になっています。

 

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実は、SDGsは、若年層の認知度が1%未満です。更に言うと、意識の高い働く女性でも2割。いつも「SDGsって何ですか?」と聞かれるため、今日、この会場の入り口でSDGsの垂れ幕があり、すごく嬉しかったです。

SDGsは海外の事だけじゃありません。日本で起きている足元の問題もSDGsに繋がります。今日の話が、そこに目を向けるきっかけになればと思います。

私の勤める、国連広報センターの話をします。
ニューヨークに国連本部があり、その出先が国連広報センターであり、大使館にあたります。日本のみなさんにわかりやすく世界の課題を発信することが、私たち国連広報センターの中心的役割で、同時に、日本の人が国連にどんな期待をするのか、そんな希望を国連本部に伝えるのが重要なミッションです。
いわば、日本と国連の架け橋といえます。

SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連総会で全会一致で採択された、17の目標と169のターゲットからなります。
(リンク:2030アジェンダ|国連広報センター )

この前身として、MDGs(ミレニアム開発目標)がありました。これは、主に途上国の話での、8つの社会課題、例えば、飢餓人口半分、貧困人口半分、初等教育浸透などといった課題がミレニアム開発目標のターゲットとなっています。2015年が達成されるべき年として定められ、日本のような先進国も、国際協力、支援という文脈では目標達成の役割を担いました。

そして、2015年、この開発目標の成果があり、貧困人口・飢餓人口半分になりました。

同時に、今後15年で新たな課題が目に見えてきました。その最たる問題は、地球温暖化、気候変動です。
このままいくと、今世紀末には、産業革命前より4度も気温が上がります。なんとか持続可能な地球を次世代に渡すには、基本上昇を2度未満に抑えなければいけません。
そして、格差。富める国と貧しい国との格差もありますが、国内の格差も拡大しています。先進国も途上国も両方です。

それを背景に、MDGsの積み残しと、新たな問題を包括するのが17のSDGsです。

2030年がSDGsのGoal Yearです。
そして、この頃は、もう、若いみなさんが中核になって社会を支えている時代でもあります。みなさんの将来に降りかかる問題があります。今の政治のリーダーがアクションを起こし、目標達成への実行があるか。それがみなさんの将来を左右します。

SDGs達成のために、しっかり数字をあげて、2030年までにこういう状態にしなければならない、というのを掲げています。

今日はいろいろなビデオを上演しますが、国連広報センターのweb、YouTubeで見ることができます。

まず、こちらは、教育を受けられた場合と受けられない場合を比較して、受けられる時、どれくらいの影響があるのかが分かりやすく伝えられている動画です。

持続可能な開発は、「将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発」と定義され、経済成長、社会的包摂、環境保護の3つの調和で成り立ちます。

この中で、2つ目の社会的包摂は、どんなマイノリティの人も吸い上げて、取り残さずに対応すること、3つ目の環境保護は、気候変動、海陸の資源保護を意味します。

SDGsは、マイノリティの女性や、障害をもつ人、性的少数者や宗教的マイノリティなど、ありとあらゆるマイノリティを救い上げることを目標としています。

ここで少し障害者の話をします。世界の人口73億人のうち、10億人はなんらかの障害をもっています。日本は1億3000万人のため、そのうち1/7というと、2000万人弱は障害をもつことになります。

でも、今日本で、街中で、障害者を多く見かけるかと言われれると、そうではありません。

それが何を意味するかというと、みんな家や施設に引きこもるという事。これは、ユニバーサルな社会としてはどうなのでしょうか。カナダや北欧にいた方が、普段いる街中で、障害をもっている人が目につくかもしれません。日本は、インフラ面でも社会的意識の中でも、そういう人を押し込める、と言えます。1人1人を大切にするということが、どういうことなのか。

今日は、それに関するビデオを持ってきました。

SDGsとMDGsの大きな違いというのは、「普遍性」です。

これは、途上国だけではなくて、先進国の問題にもメスを入れるということです。

日本の足元の問題で気になっていることは、どんなことがあるでしょうか。原発。少子高齢化。子供の貧困。待機児童。働く女性の問題。こういうことは、MDGsにかわり、新しくできたSDGsが全てカバーしています。

先ほどの、鈴木さんのプレゼンの中であったように、日本政府のSDGs推進本部を、総理を中心に作っています。また、年末までに実施までのガイドラインを揉むための円卓会議があり、私もそのメンバーとして参加しています。日本の足元の国内問題もしっかりSDGsの枠組みに入れるように意見しています。

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SDGsには、17つもの課題がありますが、それぞれが密接に、不可分に繋がっています。ひとつのGoalを推進することで、他のGoalも自ずと推進できます。

例えばが教育。特に女子教育。女の子が教育を受けることが人権。Goal4,5に関係してきます。そして、より健やかに育てられますよね。Goal3です。より栄養のある食事。教育で収入の高い食につける。Goal1。働きがいというところでGoal8。また、地震につながるとコミュニテイのための声を上げること、街づくりはGoal11。和平交渉にも出て行く、Goal16。

このように、それぞれのSDGsの項目は繋がっています。

「女の子だって学校に通いたい。」

そう声をあげたマララさんは、去年のSDGs採択の国連総会サミットで演説をしました。

193人の若者と一緒に演説をしてて、この193は国連加盟国です。全ての国の若者と一緒に声を上げました。

こちらは、18歳の演説です。

マララさんは、特別な家庭に育ったわけではありません。お母さんは読み書きができませんでした。お父さんは女子教育に理解があって、マララさんの背中を押し続けてきました。

これらのことは、何を意味するのでしょうか。

今日集まってくださっている、ひとりひとりに、マララさんと同じように、世界を変えるポテンシャルがあります。違いは、強い気持ちをもって行動に移すか移さないかです。

世界の人口の4人に1人が15~24才の年齢層です。失業率、貧困度合いは若年層の方が高く、毎年3000万の新しい仕事を生み出さないと若者たちを吸収できない状態にあります。今は、そういう世の中になっているのです。

国連は、若い人の声を吸い上げたいと思っています。

今の事務総長は、若者の意見を吸い上げないと、未来・将来を描いていけないということで、事務総長として初めて、若者の問題を扱う特使をたてて、若者の声を聴こうとしています。SDGsが採択された後、世界中で、若者を中心に様々なムーブメントが起きています。

SDGsだからといって肩に力を入れる必要はありません。楽しんで関わっていただければと思います。

日本の学生も、国連の作った軍縮のために、「あなたができる10のこと」というのを、日本語で届けたいと思い、自分たちで日本語にして発表してくれました。英語以外の言葉で出た最初の言語が日本語なんです。

また、国連は、社会問題解決の取り組みをリードする優秀な若者を発掘するため、新た試みを始めています。これは、「国連ヤングリーダーズ・イニシアティブ」と呼ばれ、SDGsの実現に向け変革を進める若手リーダー17人を1年ごとに認定する、これまでにない取り組みです。2016年9月19日、第1期生は、推薦を受けた、186カ国のから集まる1万8000人の中から、17人のyoung leaders for SDGsとして選出されました。次の年も、新たに17人が加わります。最初の17人には日本人いませんが、これからは是非推薦してもらってほしいと思います。

また、SDGsに関わるひとつの方法として、国連の職員になることも挙げられます。

SDGsの17のGoalの中で、気になるものがひとつくらいはあると思います。ジェンダー、教育など、みなさんの近くのこともあるので、何か一つ、こだわりを持てるGoalをみつけて、Actionを起こしていって欲しいなと思います。

 


YouthSpeakとは、若者が社会に対して意見を発信し、多くのセクターや専門領域のアクターとつながり、行動を起こすことを可能にするプラットフォームです。

社会に存在する問題は様々な要因が複雑に絡み合っているため、1人の力、1つの組織の力では本質的な解決ができません。
多くのセクター、多くの専門領域、そして若者がつながり、社会に対して課題解決に向けた動きを起こしていくことが必要です。

YouthSpeakは「YouthSpeak Survey」「YouthSpeak Insight」「YouthSpeak Forum」「YouthSpeak Project」という4つのプロセスでそれを実現します。

2017年度は、YouthSpeak Surveyの回答者数5000名を目指し、サーベイの更なる普及に努めています。
日本全国の若者のみなさま、ぜひサーベイの回答やSNSでのシェアなどで、ご協力いただければ幸いです。