【SDGsを考える】#SDGs1 ─ 貧困を断つには
学校のPCの授業に付いていけないが、家が貧しいため、
1000円のキーボードだけで練習する。
NHKでの「貧困JK」のニュースが大きな話題になったように、社会は貧困に対する関心が高いです。
あの報道の真偽はともかく、日本の子供の6人に一人が貧困状態にあるというのは紛れもない事実です。
世界でも貧困についての関心は高く、国連の17の持続可能な開発目標にも、貧困をなくすことが一つ目の目標として掲げられています。
しかし、いまだ世界には貧困にあえぐ人々がたくさんいます。
なぜ貧困はなくならないのか。
その理由の一つとして、「貧困の再生産」という考え方があります。
貧しい家庭で育った子供はその貧しさゆえ、十分な教育を受けられず、
そのため大人になっても高収入な仕事に就けず、貧しいままで、それがまた子供にも連鎖する、という考え方です。
文部科学省のデータからも見て取れるように、確かに両親の収入は子供の大学進学率に大きく影響しています。
この富裕層と貧困層の格差をなくす方法として、
最近「21世紀の資本」で話題のトマ・ピケティ氏は税のバランスを変えることを提案しています。
消費税を増額するのではなく、相続税、固定資産税の累進課税を強化したり、低所得者に対する課税を減らしたりすることで、格差を縮めて貧困をなくそうとしています。
しかし、この方法はあまり良い解決策とは思えません。
まるで風邪を引いてから咳止め、解熱剤を飲み、そもそも風邪をひかないように予防することを怠るように、税金でバランスをとることは対症療法であり、根本的な解決にはつながらないのでしょうか。
では、貧困を根本から解決するにはどうすればよいのか。
それは教育の質を高めることではないでしょうか。
質の高い教育を受けることで、子供たちが将来に夢や希望を抱き、またそれを実現させる力を身につけさせ、子供たちの可能性を発揮することができれば貧困から脱することができます。
まずは学校教育、授業料の減免、将来に役立つカリキュラムの作成が必要です。
例えばフィンランドでは、大学までの学費が無料であり、プログラミングを必修化している地域もあるそうです。
貧困の解決方法、それは教育ではないでしょうか。
(事務局支援員・大阪市立大学2年・永岡慎吾)