「おにぎり」で、兵庫県篠山市の地域課題解決を目指す!【株式会社いなかの窓】【海外インターンシップ受け入れ企業インタビュー】

株式会社いなかの窓様とともに篠山市の地域課題解決を目指すアイセック関西学院大学委員会の「おにぎり」というプロジェクト。関西学院大学の三田キャンパス近くにある兵庫県篠山市において、地方過疎化の課題に対して海外インターンシップの受け入れ事業を通じてアプローチしています。

今回は、株式会社いなかの窓の代表取締役である本多紀元様と、アイセック関西学院大学委員会の担当者である渡邊永で対談インタビューを行いました。

本多 紀元さん:株式会社いなかの窓 代表取締役。2015年に設立された、篠山市にあるマーケティング・ブランディング支援を行う企業を経営している。

渡邊 永:アイセック関西学院大学委員会 受け入れ事業担当。くまもと若者会議 代表。丹波県民局の委託事業の年間活動やMy 農家 BOX プロジェクトメンバーも行う。

 

「おにぎり」の名前の由来とは!?

Q. 「おにぎり」というと名前にはどのような意味が込められているのですか?

渡邊:
昨年度からアイセック・ジャパンでは、ただの海外インターンを運営するだけでなく、1つ1つの海外インターンシップを特定の社会課題にアプローチするプログラムにしていく動きを進めています。

それをプロダクトと呼んでいて、自分が担当しているいなかの窓との地方創生プロダクトの名前が「おにぎり」です。

「おにぎり」の由来はプランニング合宿中に当時の委員長の浅野がボソッと言っただけで、特に深い意味はありません。笑

色々な国にたくさんの学生がいる世界規模のAIESECで、1つの地域に絞って地方課題を解決していこうというのは新しいケースかと思います。

地方創生ってありそうでなかったというか。

 

熊本の過疎地に生まれ、「地方創生」に興味を持った。

Q. そもそも、渡邊くんはどうして数ある社会課題の中から「地方創生」という課題にアプローチしようと思ったのですか?

渡邊:

個人的な話では、僕が熊本の過疎地域で生まれ育ったことがあります。

もともとそういう環境で育ったから、地域が衰退していく状況を目の当たりにして、それが嫌だなという想いが中高生ぐらいからありました。

関学に進学してきて、アイセックに入会し、アイセック以外でも地域のために何か活動していこうと思っていた矢先に、アイセック関西学院大学委員会で見事に「地方創生」という枠でプロダクト創ることが決まりました。

まさにミラクルでしたね。 もともと地方創生に興味があったのと、若い世代から地域の人と一緒にやるのが面白くて好きになっていきました。

でも、学生が地域の問題にアプローチしていくことは結構難しいです。地域に飛び込んで、学生ですって入っていくのは地域の人にはそれなりの事情があります。

どこの馬の骨かもわからない学生が「お金出して、海外インターンシップを受け入れてください」と提案するのは受け入れ辛いのかなと思います。

それが当たり前だとは思うんですけど、それをどう乗り越えていくかが大切です。

どこまで地域に密着できてアイセックの活動ができるのかなっていうことに興味が湧き、そこで株式会社いなかの窓さんと出会いました。

 

「株式会社いなかの窓」との出会い

Q. どうして「株式会社いなかの窓」さんにアプローチしたのですか?

渡邊:

最初は僕じゃなくて浅野がアプローチしたんです。

彼も地方にめっちゃ興味があって、彼が委員長の時に地方創生のプロダクトを創り、いなかの窓さんの担当者をしていました。

彼が委員長になるので、担当者を引き継ぐにあたって、「興味があるのでやらせてください」と言ったのがきっかけです。

Q. 浅野さんが「いなかの窓」さんにアプローチしたのは偶然ですか?

渡邊:

企業自体は偶然でが、丹波篠山にフォーカスしたのはたまたまではありません。

アイセック・ジャパンの海外インターン受け入れは、情報通信サービス・製造業が比較的多く、都市部の方が市場は大きいと思われがちです。しかし、その市場では、他の委員会や他の競合サービスと差別化できないと考えていました。関学の三田キャンパスより北の地域は誰もアプローチしたことがありませんでした。アイセック関西学院大学委員会であれば、行こうと思えば行ける距離です。

そこで、丹波篠山について調べたら、篠山観光都市であることを知りました。丹波も力を入れていることが分かって、この地域にどんな企業さんがありなのかを考えている時に、ITベンチャーである株式会社いなかの窓さんを見つけました。

だから、浅野が調べてなかったら僕もいなかの窓さんと出会うタイミングはもっと遅かったと思います。

株式会社いなかの窓の社員さんと、インドネシアからのインターン生Julioさんさん。真ん中がJulioさん。

 

海外インターンシップ受け入れの決め手

Q. 株式会社いなかの窓さんは、海外インターンの話を聞いて、すぐに引き受けてくださったのですか?

本多様:

篠山がその時期に日本遺産という世界遺産の日本版に選ばれたり、ユネスコの創造都市ネットワークで文化などが世界的に認められた街として篠山が選ばれたりしまして。海外にどんどん情報を発信していかないといけないという流れになっていました。

ちょうどアイセックの浅野くんが来てくれて、インターン生が海外目線で篠山の良いところ見て、体験して、伝えてもらうことで、僕らも勉強したかったし、インターン生にも篠山のことを知って欲しかったので引き受けることにしました。

あと、周りに若い人がいないので見つけてもらえて嬉しかったというのもあります。笑

篠山って、大学がないので若い人がいないんですよ。

Q. とはいえ、海外インターンシップの受け入れには費用も人手もかかると思うのですが、障壁などはなかったのですか?

本多様:

はい。とりあえずやってみようと思っていました。

大きい企業やったら難しいんちゃうんかな。結構フットワーク軽いからできたことだと思います。

地方創生に大学生が取り組む中だと僕らみたいな若くて小規模な事業者があってると思います。田舎でわざわざ大企業を探してインターンをしても、都会で大企業で研修するのとほぼ変わらないからです。田舎でやるなら、小さい個人事業主とかのもとで海外インターンをした方が面白い経験ができるし、アイセックとしてもアイセックのやりたいことができるかと。

対談する本多様と渡邊の様子

 

日本独特の「地域の課題」を、海外からのインターン生に理解させる難しさ

Q. 受け入れの提案の際にアイセック側としてはどのような工夫をしましたか?

渡邊:

受け入れること自体はすぐに決まったので、そのあとに、どんなインターンシップの内容にするかの設計に力を入れました。

まず難しかったのが篠山の課題をインドネシアからのインターン生であるJulioさんに理解してもらうこと。そしてJulioさんのスキルをどう活かすかということです。

「ウェブ開発」という大筋は決まっている中で、どうすればインターン生にとっても良い経験ができて、いなかの窓さんにとっても成果を残すことができるかを考えるのが大変でした。

準備期間も短かったのでその中でする苦労は多かったです。

 

本多様:

そんなに気遣わんでもよかったのにっていうくらい、気遣ってくれて。笑

 

渡邊:

日本の地方に海外からのインターン生を受け入れ、社会課題を解決するという目的があるインターンシップであるから、その分それを達成させるためにインターン内容とか状況の理解には時間がかかりました。

地域の数ある課題の中で、何を自分たちがアプローチする課題とするか。

本多様:

そもそも「おにぎり」というプロジェクトでどんな社会課題を解決しようとか?

 

渡邊:

日本が持つ地域の課題を扱っていて、それをちょっと噛み砕いていって、じゃあ丹波篠山地方ってどういう状況だろうというのを細分化していって。

いなかの窓さんにヒアリングしたり、市役所に話聞いたりとか。その中で観光都市である篠山市に年間200万人来ている観光都市なのに、海外に観光都市をアピールする媒体とかアプローチ方法があるのかなっていう話になりました。それこそ本多さんが以前おっしゃっていた「代表できるものがない」というか「これだ!」というものがない。

「これだ!」と言えるものを作って発信できたら観光都市としての篠山の魅力を伸ばしていけると考えた時に、まず自分がやりたいこととやれることってそこなのかなと考えてアプローチしようというのが自分たちの丹波篠山地域の地方創生の概念ですね。

すごく複雑で深刻な課題を扱うというのもありだとは思いますが、これもうちょっとやったら魅力あるよねというところこそ自分たちが扱える状況だと思っていました。

 

本多様:

「高齢者の医療問題を解決したいです」とかパッときて言われても、そうなん、それはみんな考えてるんじゃないですかね…。ってなる。

段階的な感じでいいんじゃないかな。いずれは深い問題にも踏み込んでいったらいいのかなと思います。

 

渡邊:

結局、何をやるにしても「地域の人とどこまで絡めるか」というのが大きな課題だと思います。アイセックは海外インターンシップを運営するというそれはそれですごい事業としてやっているのですが、いかにしてアイセックの事業をを継続させるかとかサイクルを回すという持続的に社会に影響を与えていくかを考えたら、アイセックのメンバーと地域の人がどこまで相互作用できるのかが大切なのかなと。

 

何(What)より、なぜ(Why)を伝え合う。

本多様:

アイセック側も、おにぎりというプロダクトがどうしていきたいかというビジョンを伝える。地域側も、こうしたいとかお互い伝えた上で、これをやろうというのがお互いにとってプラスになるのかなって思っています。

「地域課題を解決したい!」と飛び込んで人に、地域の人があれやってこれやってってやると面白くない。例えば、地域課題解決したいんです、じゃあ庭の草むしりやってインターン生に草むしりやってていうのは目標があるのに近づけへん。

アイセック側は、ある程度こういうのを目指すんですというのが明確にあるといいのかな。

 

渡邊:

どこまで明確にちゃんと伝えるかと、それが矛盾してないかというのが、シンプルだけど見られますよね。

 

本多様:

何を持って動いているか。

やることは海外からのインターン生を受け入れることだけど、「なぜ」それをやるのかっていうのは1つ1つのプロダクトごとに違う。

「おにぎりは、こういう理由で海外インターン受け入れをやるんです」というのを明確にできたら目標に近づいていけるし、今回の事業を通してこれが土台になって行く中で積み重ねていってでかいことできるようなって目標達成できる。

 

渡邊:

同時にアイセックがやるべきことって、いかに地域の人たちにちゃんとメリットのある伝え方ができるか。自分たちがどういう思いで、何をやりたいのかっていうのをどこまで理解してもらえるかっていうのが大事です。

結局そこで「何しに来たの?」と言われたら終わりで、そこをいかに伝えるかっていうのはアイセックの責任だと思います。

 

本多様:

そうですね。「なぜしたいのか」が大事で、何がしたいかっていうのはどうとでも説明できる。

何をやるかっていうのは「じゃあどうぞ」ってなるけど、これをやるのはこういうことがやりたいからですって伝えられたら、「地域でこういうことしたら達成できるよ」とかアドバイスできます。

若者こそが未来に対する最大の資産

Q. いなかの窓さんから見たアイセックの価値を教えていただけますか。

本多様:

「若者こそが未来に対する最大の資産だ」という考え方がすごい。特に地方だと学生いないので大学生がわざわざ篠山に来てやりたいって言ってくれるのは地域にとったら価値のあることだと思います。

でも、地域はそういうの閉鎖的で、受け入れへんから衰退していくんだと思います。ほんと、若者が未来の最大の資産っていうのをアピールしていくべき。

 

今回の取り組みに関しても、渡邊くんが篠山市役所に行って提案したけどあんまり進まへんかった。それも残念やなって思って。もっとこう背中を押してあげるくらいの余裕がないとね。

今回の実績をきっかけに、ステップアップして行ったらいいのかな。

地方創生にありがちな「外の人が何言ってるんだ」にならないために。

Q. 最後に、今後「地方創生」という社会課題を解決していく上でのアドバイスをいただけますか。

本多様:

地域によって課題は違うので、まず調べたり聞いたりすること。いきなりやるのは難しいので、僕らみたいな地域に根ざした企業に声かけてもらって、そこから繋げてもらえればやりやすいんじゃないかと思います。誰でもウェルカムみたいな人を見つける。その人にやりたいことを伝えて、課題をそこの人から聞いたり、その人通して聞いてみたりする。それで自分たちに何ができるかを考えるプロセスが大事だと思う。

ありがちなのは地域課題ってこういうことがあると思うって机上の空論を決めつけて持っていくこと。課題はあるけど、実際はこういう事情があるからってギャップが生まれて、外の人が何言ってるんやってなりがち。地域に溶け込むには「地域を知るウェルカムな人に聞く」。人との繋がりを築いていくことが大事かなと思います。

 

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